つながる音楽劇「麦ふみクーツェ」~everything is symphony!!~

SOUND ON

はじめに

シアターBRAVA!プロデュース

2005年春、大阪に誕生したシアターBRAVA!は、おかげさまでまもなく10周年。
そこで2015年3月から約1年間、「10周年記念シリーズ」としてさまざまな話題作を上演していきます。
その中の特別企画として自主製作するプロデュース公演が、この「麦ふみクーツェ」です。 関西をベースに活躍する才能あふれる人たちが生み出す、かつて見たこともないような楽しい音楽劇をご堪能下さい。

「麦ふみクーツェ」とは

オリジナルは、独創的な作風を得意とする作家・いしいしんじ氏の小説で、2003年に坪田譲治文学賞を受賞した作品。
とある港町を舞台に、街の誇りである、町民たちによる吹奏楽団を軸に巻き起こる事件の数々や、のちに指揮者となって街に帰ってくる少年“ねこ”の成長譚が織りなす物語。この作品を、関西を中心に活躍し、演劇と音楽やパフォーマンス、映像などを融合させた演出に定評のある作・演出家ウォーリー木下氏が、観客も巻き込んだ、ユニークな音楽劇に仕立てます。

原作 いしいしんじ著『麦ふみクーツェ』 (新潮文庫刊、理論社刊)

音楽にとりつかれた祖父と、素数にとりつかれた父、とびぬけて大きなからだをもつ“ぼく”との慎ましい三人暮らし。ある真夏の夜、ひとりぼっちで目覚めたぼくは「とん、たたん、とん」という不思議な音を聞く。麦ふみクーツェの足音だった。
――音楽家をめざす少年の身にふりかかる人生のでたらめな悲喜劇。悲しみのなか鳴り響く、圧倒的祝福の音楽。
坪田譲治文学賞受賞の傑作長篇。
※新潮文庫より転載

“つながる音楽劇”とは

「リズムを刻むことと人生は一緒なんだ」
――音楽自体がひとつのモチーフであり、テーマでもあります。
楽しい事も苦しい事も、リズムを刻むように日々を繰り返しながら人生を紡いでいくさまを、登場人物たちが日用品やセットの一部を楽器にして、演奏しながら演じていきます。
それだけではありません。このお芝居は観客の皆さんも一緒に音を鳴らして参加できる仕組みになっています。ぜひ客席から音を出して参加してください。
そのとたん、舞台と客席、客席のお隣さんとの境目はなくなり、きっとひとつに“つながる”はず。
ぜひ“音を発するもの”をご持参下さい(ただし、サイレンは禁止。その理由は当日わかります)。