ニューヨークのソーホーの片隅で、貧乏なアーティストとして暮らしていた作者・ジョナサン自身を主人公として書かれたロック・ミュージカル。
アーティストとしての葛藤、挫折そして希望・・・。
社会現象とまで言われた大ヒットミュージカル『RENT』の作者、ジョナサン・ラーソンが、死の数年前に書き遺していた作品で、ロックと美しいバラードで構成されたストーリーは、心を揺さ振ります。
ジョナサン役には2003年初演にも出演し、今年30歳の誕生日を迎える山本耕史が決定!
この作品『tick,tick...BOOM!』の中で、30歳の誕生日を目前にひかえて「最高のミュージカルを書き上げたい」という意欲に燃える一方、「貧乏作曲家」の現実から抜け出して堅実な就職を・・・と揺れ動くのが主役ジョナサン。
同じく30年の人生を経験し、さらに磨きがかかった歌唱と演技でこの役に挑む山本に注目。 |
■あらすじ |
舞台は1990年のニューヨーク。
『RENT』が世界中の人々に衝撃を与えることとなる、その6年前。
30歳の誕生日を目前にしてジョナサンは自分の作曲家としてのキャリアに焦りと不安を感じ憂鬱な日々を送っている。素晴らしい作品を書きたいとの燃えるような思いはあるものの、現実は相変わらず、ダイナーで働きながらの貧乏作曲家としての日々。
親友でルームメイトのマイケルは現実派。俳優になるという夢に見切りをつけ、マディソン・アヴェニューのビジネスマンに転身して成功し、新車のBMWを手に入れたばかり。彼に勧められて就職することもジョナサンは考えてしまう。
一方恋人のスーザンもダンサーという夢を捨て、ジョナサンと結婚してニューヨークを離れたいと言い始めている。彼女を深く愛してはいても、彼女の思い描く“幸福”に乗り切れないジョナサン。そんな2人の間で、ジョナサンの心は揺れ動く。
ビジネスで成功したマイケルに勧められるままに就職すればよいのか?スーザンの希望通り結婚すれば幸福になれるのか?しかし、自分自身の、素晴らしいミュージカル音楽を書きたいという夢はどうなるのだろうか?
あと1週間で30歳。それは青春時代の終わり。そして全ての終わりなのだろうか。
頭の中に、青春時代の終わりを告げる時計の音が鳴り響く。チック・チック・チック…。それはまるで時限爆弾のように。そんな鬱々たる思いを胸に、今夜もキーボードに向かい、ひとり歌いだす…。 |
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